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ダウ  DHOW  2000年

ダウ  DHOW  2000年 [2021年09月16日]

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ダウと言っても株のことではない。船の話だ。

インド洋からアラビア、東アフリカで活動する伝統的な帆船、それがDhowダウである。発祥は紀元前と言われている、南インド産のチークが使われているので南インドの沿岸が発祥の地と言われている。

それから2000年余り、現在も使われている船がダウである。これほど長いこと使われている船は無い。

通常のサイズは長さ15m~20mで10~30人乗りである、長さ30m以上の大型船も作られていてこれは400~500人乗りであった。

 DHOW

 

この船の構造は、フレームにチークの外板を張る方法であるが、この外板はひもでつなぎ合わせる。「縫合船」と言われる作り方で、ココヤシの繊維を縒ったひもを外板に開けたあけた穴に通しフレームに強く結ぶ。鉄の釘は1本も使わない、要所は木釘で固定している。外板の間には瀝青や魚油を塗り水止めとしている。瀝青は乾くと硬くなるので最適な材料である。

 縫合

 

もう一つの外見上の特長は太く長いステム(船首材)で斜めに長く突き出して、下はキールにつながっている。船型は深めのラウンドボトムであるが船底部はV型に近く、その下のキールと共に横流れを防ぐ働きもしている。

 構造図

 

帆装はラテンリグである。長いヤード(棒)に三角の帆を取り付け、そのヤードを滑車を使ってマストに引き上げる。ヤードはおよそ45度となり、大きな三角帆が展開される。ヤードの下部(タック)はステムにロープで固定される。このロープを調整するとヤードの角度を変えることが出来る。また強風の時はヤードを少し下げるとリーフ〈縮帆)状態となる。なかなか効率的なリグである。

インド洋の北から、あるいは南から吹く季節風を利用して、インド―アフリカあるいはアラビアに航海していた、ラテンリグは多少風上に切りあがることもできたのでこの海域を自由に帆走していたと思える。

アフリカからはマングローブ材、ペルシャ湾からはナツメヤシや魚類、インドからは木綿製品が積みだされていた、やがてインドからコショーやスパイスが積みだされるようになり、それらはペルシャ湾や紅海を経て陸路でヨーロッパに運ばれたと想像される。

大型のダウでは2本マストも採用されこのような長距離の交易に貢献した。

      2本マストのダウ

 

現在もペルシャ湾などでダウは使われている。1960年代までは帆船として使われていたが、1970年代に入るとエンジンを積む船が増え機帆船が主流となった。中にはマストを取り外して動力船として使われるものも増えた。これらは貨物運送用だけでなく、観光船などとしても使われている。いずれにしても艇体はダウそのもので2000年あまり変わっていない。

ドバイには内装を改造してレストランボートとした船があり、「ダウディナークルーズ」が観光客の間で人気と聞いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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